服部が期待するのは岡崎慎司
「まぁ、メンバーは8割方決まっているだろうね。残りの2割がどうなるか(取材は23人発表前に行った)。復帰に向けて動いている選手が間に合うか。新戦力の抜擢があるかどうか。ここから新たな故障者を出すことなく、無事に大会を迎えられたらいいのだけど」
服部はチームの機能性を保つために欠かせない選手として、ひとりの名前を挙げた。
「岡崎選手。もし自分に裁量が与えられ、現代表のなかから誰でも獲得していいとなったら真っ先に彼を選ぶ」
本田圭佑でもなく、香川真司でもなく、岡崎慎司。その理由は?
「彼はチームのために100%尽くす。ボールを失ったとき、『お前がきついのはわかっているから、俺が戻る。そこにいろ!』と周りに思わせるプレーをしてくれる。だから、欲しい。昨今、貴重なんですよ、そういうタイプは」
服部は盟友である中山雅史のプレーに岡崎を重ねる。中山はJリーグ通算157得点、日本代表として21得点。稀代のストライカーとして多くのゴールを決めているが、外す回数も半端なく多かった。
「全力で走り回る姿を見ているから、シュートを外してもいいとすら思えた。俺たちがどうにかするから、次、決めてくれと」
チーム力は選手の足し算では測れない。相互に作用し合い、いかようにも変化する。
逆に、苦い記憶を残す06年のドイツ大会は、その部分が欠けていたように見える。
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