「苦渋の決断だった」。アビダルも落選
対照的に「苦渋の決断だった」というのは、アビダルの落選。生体肝移植を克服した不屈のディフェンダーだが、今季はモナコでのパフォーマンスも安定感を欠いていた。
「ここはベテランである彼の経験値よりも、若手の勢いに賭けた」と指揮官はその心中を吐露したが、実際23人中23歳以下の若手が7人。今代表の平均年齢26.37才は、1998年からの5大会でも最若年だ。
ウクライナとのプレーオフを制してブラジル行きが決定した直後、フランスサッカー連盟は、デシャン監督の契約を2016年のユーロまで延長したことを即座に発表した。
今回のメンバー選考からは、今大会を足がかりにして、4年後の自国開催のユーロで栄えある優勝を狙う、というデシャン政権の長期プランが見て取れる。
予備軍に名を連ねたモンペリエの精鋭カベラ(24)や、今季得点ランク5位のラカゼット(22)、そして、初めてA代表からお呼びがかかったシュナイデルラン(24)らは、たとえ今回は出番が来なかったとしても、今後の構想に組み込まれていると言えるだろう。
独特の得点センスを持つラカゼットには23名入りを期待していたが、前線ならどこでも使えるポリバレントさを含め、先輩レミとキャラクターが被っているのが痛い。レミは代表では2011年11月からゴールがないが、所属するニューカッスルでは14得点と活躍している。