「グループの一員として難しい」。先発レベルにないナスリは落選
微妙だったのはグルニエだ。冬に股関節の怪我から感染症を起こし、今年に入ってからは欠場が続いて、ようやく36節のマルセイユ戦で復帰したばかりだった。
しかし、若い選手の多いリヨンで発揮してきたリーダーシップや、精度の高いプレースキックという持ち技、各世代の代表で国際トーナメントに多数出場してきた経験値が評価された。
そして、モナコのコンドグビアやサンテティエンヌのギラボギら若手が多数育っているアンカーのポジションにデシャンが選んだのは30歳のベテラン、マブバ。
最後に出場した代表戦は2012年9月のW杯予選ベラルーシ戦と2年近くも遡るが、リールで中盤の底を守る不動のアンカーに指揮官はブレない安定感を求めた。
そして、予想どおり名前がなかったのはナスリだ。
所属するマンチェスター・シティでは2冠を達成して絶好調だが、フランス代表でのパフォーマンスは指揮官を満足させるものではなかった。
「彼はここ(代表)では先発のレベルにはない。しかし本人自らが認めているように、ベンチに座ること(=交代要員となること)を彼は快しとしない。そのような選手の採用は、グループの一員として難しい」とデシャンは迷いなく彼を外したことを明かした。
ナスリ自身はなかば予想していたようだが、ガールフレンドのイギリス人モデルは、ツイッターでデシャン監督をFワードでこき下ろしているから、こちらも論議を呼びそうだ。
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