弱点②:引いた相手を崩す「攻め直し」
昨年のオランダ、ベルギーとのフレンドリーマッチでは、相手のビルドアップへの対策を立てて臨んでいた。それなりの効果はあったが、やっぱり自滅型の失点はしている。
前線の2人(1トップ+トップ下)による追い込み方、それにともなう8人の連動は悪くなかったのに点はとられた。W杯でも失点はすると思ったほうがいい。
それでも、どちらの試合でも日本は2点以上とっている。コンフェデレーションズカップでも無得点だったのはブラジル戦だけだった。ただし、本格的に引かれてしまうと点をとるのは難しくなる。セルビア、ベラルーシとの試合がそうだった。
どんなチームでも、がっちりと引かれてしまえばそう簡単に点はとれないのだが、グループリーグでギリシャと当たる日本にとっては差し迫った課題といえる。
セルビア、ベラルーシとの連戦でみえた課題は「攻め直し」である。
日本の攻撃は、主に遠藤から香川、本田へのパスがスイッチになり、そこから香川と本田のコンビネーションや長友のオーバーラップ、岡崎の裏への飛び出しにつながっていく。
このパスワークと連動性、崩しのパターンは成熟しているので、強豪国を相手にしても点はとれると思う。ただし、すっかり引かれてしまえば話は違ってくる。
スペースを見いだせずに「攻め直し」になったときに、次のスイッチを入れるのに時間がかかるのだ。パスワークのメインキャストである香川、本田、遠藤が同じエリアに集まる傾向があるため、いったん後方にボールを下げて攻め直すときに、なかなか有効なパスが入らない。次の場所に彼らが移動するまで待っていると、相手も移動するので結局同じことの繰り返しになる。
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