選手たちへの絶対的な自信と信頼
「主導権を握って戦うことが大前提で、それができないことも想定内ではある。自分たちがこれまでやってきた、そういった状況に耐え得る戦術的準備は進めてきたつもりだ」。ここはかなり強い表現を用いている。
「主導権を握って戦うことが大前提で、それができない事態になっても、選手たちは十分な戦術理解を持っているので、自分たちが難しい状況に陥ることはない」。困難な状況にならない、とまで言っている。選手への絶対的な自信がうかがえる。
「自分たちのサッカーをして、自分たちの能力を最大限に出してブラジルのピッチで戦いたいと思う」。このあと、訳していない言葉がある。
「選手たちは極めて高い能力を持っている。繰り返すが、私は深く信頼している。フィジカルコンディションが整えば、非常に質の高いプレーができる。だからコンディション調整に全精力を傾けている。もちろんどれだけ質が高いプレーができるかは、相手あってのことだが」
選手たちへの信頼の高さを再度、言葉にした。繰り返しになるので、訳さなかった可能性もあるが、表現を変えて同様の表現をしたということは選手たちへのメッセージともとらえることができる。
「これまでの4年間はコンフェデ杯以外は結果を残している。時にいわゆる格上と呼ばれている相手にもいい戦いをしたことがある」。ここでもザッケローニは強気の姿勢を崩さない。「同等あるいは格上との対戦でも、時に相手を半ば辱めたこともある」と発した。
同等は韓国のことを指しているのかもしれない。3-0で完勝したこともある。そして“辱めた”と述べている。“いい戦い”とは大きく意味が違う。強豪を相手にしても自分たちが打ちのめすことができることを暗に示しているのかもしれない。
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