生き残りへの気持ち伝わらず。戦意は失われていたニュルンベルク
華やかさが虚しさを、際立たせた。
ブンデスリーガ13-14シーズン最終節、1.FCニュルンベルクはゲルゼンキルヒェンのアウェイに乗り込んだ。CL本戦への出場権を確定させようとする3位のFCシャルケ04が、降格を免れようとする17位ニュルンベルクを迎え撃つ。
シャルケのホームスタジアム、ヴェルティンスアレーナは、まるでこの試合が苦しいシーズンを戦い抜いたチームを労う打ち上げパーティーであるかのように、晴れやかな雰囲気に包まれている。
新シーズンのユニフォームがお披露目となり、またマックス・マイヤー、レオン・ゴレツカといった若手がドイツ代表に、いわゆるサプライズ選出されたこともあったのだろう。華やかな輝きの中で、ゲルゼンキルヒェンの人たちは、もはや残留が掛かったチームを相手にしてはいないようだった。
何より残留を掛けた戦いに挑むはずのニュルンベルクから、降格を逃れようと、生き残ろうとする気持ちが、まるで伝わってこない。戦意は既に失われている。
最終節を17位で迎え、3位のチームと相対するという絶望的な状況ではあったが、16位のハンブルガーSVとの勝ち点差は1だった。7位と上位のマインツとの対戦であることを考えれば、HSVの敗戦も十二分に考えられる。可能性はゼロに近いが、ゼロではない。シャルケを相手に何かを見せることが出来れば。
しかし6分、シャルケが先制する。マイヤーの右のCKから、マティプがヘッドで突き刺した。ニュルンベルクの心を砕くには十分だった。