清武の選出にも大きな影響
さらに大久保は本田と共に“代役不在”が心配されてきた岡崎の役割をこなすこともできる。岡崎も自分より経験豊富な実力者の大久保を純粋な控えとは見なさず、強力なライバルとして刺激にするだろう。
岡崎の原動力となってきたのが“危機感”であることは彼自身も常に語ることだ。もちろんW杯で結果を残すことのプレッシャーはあるが、チーム内に強力なライバルを得たことで、岡崎の意識はより研ぎ澄まされるだろう。
また、23人が発表されてしまえば清武の選出は当然だったように思われるが、個人的にはやはり“当落線上”だったと考えている。攻撃のリズムを変えられる効果的なオプションではあるものの、得点力の部分で岡崎の代わりが務まらない。
そうなると工藤壮人や石原直樹といったゴール前に入っていけるウィングがもう1人必要になってくる。しかし、それも大久保が担えるので、違うタイプの清武を残すことができた。
そして大久保は4年前のチームと同様に、左ウィングで攻撃の起点として機能する資質もある。香川に何かあった時に同ポジションを担うことはもちろん、試合の途中で香川がトップ下に移った時も、機動力のあるウィングとして攻守でハードワークする。
その意味で左ウィングの候補としてドリブラーの齋藤学を組み込めたことも、大久保の存在が大きい。つまり、大久保が大枠として香川の代役も兼ねることで、攻撃の1枚を“ジョーカー枠”に割くことができたわけだ。
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