「セードルフは狂っている」
この人は前半戦のインテル戦で、急遽5バックを用いて相手からドローをもぎ取っている。指揮官同士の腹の読み合いをさせたら、やはりコラントゥオーノは強かったということだ。翻れば、監督としてのセードルフの経験のなさはこういうところに出てしまった印象だ。
そこからセードルフは修正に入る。エル・シャラウィの投入だ。4-2-3-1に修正し、彼とカカーをワイドに晴らせる。「ピッチを横に拡げたかった。彼がその意図に堪えていいプレーをしてくれたことで、我われは先取点を奪うことにも成功した。試合に破れたのは、相手が最後にスーパーゴールを決めたからだ」と強気な姿勢を崩してはいなかった。
もっとも、そんな彼に対してフロントの不信感は増大している。この試合のハーフタイムで、中継を担当していた伊衛星TVスカイは、ガッリアーニ(スポーツディレクターにしてCEO)がスタンドで息子と話す様子を大写しにした。
「なんでターラブじゃなくて本田をプレーさせたんだ?」
「ヤツが狂っているからだ」
口の動きからこのように読み取られて報じられると、ツイッターは炎上。コリエレ・デッロ・スポルト電子版では、「これでセードルフとクラブとの亀裂は決定的になった」と報じている。
非難の対象はあくまでセードルフの采配だったのだろうが、色々とあらぬ憶測を呼びかねないジェスチャーである。いずれにせよトップ下として、本田が説得力のある結果を残せなかったことは残念ながら事実だ。
【了】