リーガとCL。優先させるのは…
――では2011年12月27日、アトレティコに指揮官として帰還した際に、現在のような状況が生み出されることを想像していましたか?
「アトレティコに戻るタイミングは、クラブが難しい時期を過ごすときだと分かっていた。王者と称されるようなチームを率いる可能性は皆無だったんだ。
アトレティコは経験豊富な監督が指揮を執ることを常としており、選手としてはともかく、監督としての自分は重要な存在ではなかったからね。ただ、私はいつも楽観的で、期待を抱いている人間だ。ここに戻ってきた際には、アトレティコのエッセンスを取り戻す意欲を語った。
アグレシッブ、競争的、スピーディー、鋭いカウンターを仕掛けるチーム……。現在のアトレティコは、そのようなエッセンスを示していると思う。それは私にさらなる期待や、チームを改善していくためのエネルギーを与えるものだ。今のアトレティコは私の感情に呼応していると感じる」
――現在のアトレティコは、クラブ史上最高のチームとも称されています。
「チーム内の人間が、そのようなことを考える必要はない。チームが外部に示すイメージによって、周りの見方が変化していくのは当然だ。しかし現在は、そのようなことを考える時期にはない。そのような話は未来のためにとっておくべきだ。
将来、テーブルを囲いながら『俺たちは何てことを成し遂げたんだ。途方もなく素晴らしい』と話したり、『もっとできたはず』と悔やんだりする機会が訪れるはずだからね。我々は雄馬のように前だけを見なくてはならない。チームの目標だけに焦点を合わせる必要がある」
――リーガとCLの優勝、選べるとしたらどちらを望みますか?
「どちらかを選ぶことなどできないね。そのような選択を好むことはない。とにかく、我々の持ち得るものをすべて出し尽くす必要がある。それこそがチームの進むべき道であり、最も重要なことだ」
――では、質問を少し変えましょう。アトレティコにとって、より優勝の可能性があるのはどちらのコンペティションでしょうか?
「どちらでもない。リーガもCLも簡単であるはずがない」
【了】