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日本代表 11年前

日本代表で柿谷が活きない3つの停滞ポイント。チームのズレを生む“前田の亡霊”

text by 清水英斗 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Getty Images

停滞ポイント3「個人の能力と組織の目標にギャップ」

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本田圭佑【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 そして、本田もあまり出せていない。ベラルーシ戦はボランチ辺りに下がってくる場面が多く、柿谷との距離が開いた。柿谷の飛び出しを有効活用するためにも、本田は柿谷を孤立させないようにトップ下に立ち、相手のディフェンスの的を分散させてほしいところ。

 その意識は本田自身にありそうだが、ベラルーシ戦では別の問題も重なり、本田は中盤の低い位置へ下がってきたふしがある。

 香川や遠藤から柿谷の動き出しを活かすプレーがそれほど出てこないのは、長友や吉田のような技術的な問題とは異なり、サッカー観の問題もありそうだ。

 セルビア戦では柿谷がうまく裏を取れず、3度ほど飛び出した場面はきっちりと対応されてしまった。あまり縦に急いでボールを失う回数が増えると、相手にリズムを渡してしまうので、あくまでベースは短いパスでボール保持。

 香川や遠藤のイメージの中では、柿谷の飛び出しは今までのベースに付け加える状況的なスパイス、つまりラーメンにかけるコショウくらいにしか考えられないのかもしれない。

 今のメンバーで実践していくうえで、個人の能力と組織の目標にギャップが大きいことがうかがい知れる。個と組織のズレ。これが停滞ポイントの3つ目だ。

 このベラルーシ戦は、2013年10月15日に行われた。その後に行われたベルギー戦では柿谷も得点を決めている。しかし、現在の柿谷はトップフォームには程遠い状態。

 W杯本大会でも柿谷の1トップを採用するのであれば、このベラルーシ戦から浮き彫りになった停滞ポイントは重要なヒントとなるはずだ。

【了】

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