選手をファンド化して資金を集める方法
――そうでもしないと推定年俸6億円とも言われるフォルランを日本のクラブが獲得できません。
「親会社がついているのだから、昔からそういうことはやるべきだと思っていましたし、実際にやっていたクラブもありました。例えば、三菱自動車が昔からベッケンバウアーと契約をしていて、その流れでレッズはドイツ人を獲っていましたよね。
何か単体で、このクラブだけで、というのは難しい。お金を発生させるために何をするかということをもう少し考えないと。変な話ですが選手はファンドなんです。外国人選手は特に。
(資金集めは)一般募集でもいいくらいですよ。私がまだ広告屋だった27、28年前、日経新聞を見ていたらドイツのチームはそういうことをもうやっていました。
自分のところに選手を入れるために会員にお金を出してもらって選手をファンド化して獲得、売却していくということをやっている記事が当時ありました。弱いチームの話ですが、弱いからこそやるんですよね」
――稲川さんが連れてくるブラジル人選手は、Jクラブがエコノミック・ライツを100%買い取らないケースが多いのですか?
「私が日本のクラブに言っているのは、『100%で買うのは馬鹿らしいよね』ということ。どうせ売るんですから、『60、70%でもいいのでは?』と。
100%でしか売らないというクラブもありますが、そこは交渉次第と言いますか、ケースバイケースで、無駄なお金を使う必要はありません。日本のクラブにとってはいい話のはずです。
尚且つ、パーセンテージを向こうに残しておくと、それがモチベーションになって向こうもセールスしてくれるんですよ。(営業の)幅は広がった方がいいですよね」