ブラジルの玄関、グアリューリョス空港が抱える問題
ぼくがサンパウロに着いたのは、先月の18日のことだった。
地球の裏側、ブラジルへ行くには、アメリカ、あるいは欧州、中東で一度飛行機を乗り換えることになる。今回、ぼくはルフトハンザ航空のフランクフルト経由でサンパウロに入った。
飛行機が到着したのは早朝5時だった。入国審査を通り、荷物を持って外に出たが、迎えに来ている友人がいない。電話をしてみると、「もう出たの? これから向かうよ」と驚いた声だった。
このブラジル人の友だちは仕事柄、頻繁に欧州、日本を旅している。彼もつい先日、ブラジルに戻ったばかりだった。その際、サンパウロのグアリューリョス国際空港に飛行機が着いてから、降りるまで機内で一時間以上待たされたのだという。周囲の友人たちも同様の経験をしており、ぼくが定刻通り出てくるとは思っていなかったのだ。
サンパウロには、グアリューリョス国際空港の他、コンゴーニアス、そして近郊のカンピーナスにビラコッポスという空港がある。コンゴーニアスは国内線、ビラコッポスはLCC(格安航空会社)が主に使用している。
ブラジルの他の大都市、リオ・デ・ジャネイロにはガレオン国際空港があるが、欧州、アメリカ、中東、どこを経由してもほとんどの飛行機はまずサンパウロのグアリューリョスに降りる。グアリューリョスはブラジルの玄関で、ハブ空港でもある。
このグアリューリョス空港はずいぶん前から過剰発着という問題を抱えていた。ブラジル経済の成長による、人、物の移動増に耐えられなくなっていたのだ。