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マンU惨敗、攻撃が低調だった要因とは?“モイーズ流”を復活させた“クロスマシーン”ヤング

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Asuka Kudo / Football Channel

シーズン通して最低のパフォーマンスだったヤング

ヤング
アシュリー・ヤング【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 ヤングは、チームで81本のクロスを入れた2月9日のフラム戦でチーム最多の15本を記録している。そして、42本を入れたこのサンダーランド戦では、フラム戦を超える16本ものクロスを入れているのだ。

 先のフラム戦で2ケタのクロスを入れた選手はヤングの他にラファエウ、エヴラ、マタ、ルーニーと4人もいた。しかし、サンダーランド戦ではヤングのみ。それ以下では、フィル・ジョーンズとマタの6本が最多だった。

 もちろん、クロスを多く入れることが悪いことと言う訳ではない。しかし、この16本のうち味方へ通したのは、わずか1本。ヤングの入れる安易なクロスは、ことごとく弾き返されていた。

 前線に位置するのは、175センチのエルナンデスと170センチのマタだ。エルナンデスはヘディングの技術が高いため、決して苦手ではない。しかし、この2人を生かすためにはサイドからのクロスという選択肢が正しいものだったとは言えないだろう。

 実際、チームがボールを持ってプレーした位置を示すアクション・エリアは中央のバイタルエリアが20.99%で最多だったことからも、ギグス暫定監督がサイド攻撃を重視していたわけではないことが分かる。

 そんなヤングのパフォーマンス・スコア(オプタ社による攻撃、守備、ポゼッションでの評価)は-7点。スカイ・スポーツの採点では6点、ファン投票では両チーム最低の3.0点だった。

 さらに出場全試合のパフォーマンス・スコアを合計すると、わずか16点。チームトップのルーニーが895点を記録し、ヤングより出場機会が少ない香川が207点を記録していることからも、この16点がいかに低い数字かが分かる。

 デイビッド・モイーズ監督の失敗は、自身の戦術的な幅の無さも要因だが、サイド攻撃のキーマンとなるはずだったヤングの酷いパフォーマンスも足を引っ張ったと言えるだろう。

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