ガッリアーニが説明を求めた3つの疑問点
「ローマの人たちはもっと入れ込んでいた。ラツィアーレのみんなは試合の3、4ヶ月前から、僕に『ダービーでは必ずゴールを決めてくれ』と頼んできていたほどだったから」
1月にラツィオから移籍し、今回が初めてのミラノダービーとなるエルナネスはカタールのTV局の取材に対し、ダービー前の雰囲気についてこう語っていた。確かに熱狂的なローマダービーやシチリアダービーの戦前に比べると、毎年ミラノは落ち着いてダービーを待っているような印象である。
だが今回は、順位が接近しELを掛けた直接対決という意味合いがあるにも関わらず妙に静かだ。
とりわけ、ホーム開催であるミランはそれどころではないような雰囲気に包まれているようにも感じる。連日メインで報道されているのは、もっぱらセードルフ監督の去就を巡る話題だ。
地元紙によれば28日、ガッリアーニ副会長はセードルフと直接会談を持ち、主に次の3つの事項に渡って監督に説明を求めたのだという。
【1】デ・シーリオとアバーテは回復した状態でありながら、なぜボネーラにコンスタンという本職でない選手をSBで起用するのか。
【2】バロテッリとパッツィーニを同時起用するという考えはないのか。
【3】ローマ戦で故障明けから間もない本田を先発させ、80分間も引っ張った理由は何か。攻守両面でバランスを取りたいのであれば、ポーリが適役ではないのか。
ローマには敵わなかったが、そこまでに5連勝。格下相手とはいえ組織のバランスを整えて守備に安定感を出したという事実はあるわけで、解任論が浮上するのは奇異にも思える。
ガッリアーニ自身がローマ戦後「6試合で5勝しているし、ローマ戦だって相手に支配されて破れたわけではない。リーグ戦で2位の相手に敗れたことは別に悲劇ではない」と語っていた。
にもかかわらず注文を出したということは、それまでの間チーム内に不満がうっ積したことを示唆している。選手層に合っているとは思えない4-2-3-1への固執、偏った選手起用、そしてバロテッリへの甘い対応など、セードルフの采配とチーム運営には選手の中からも疑問が上がっていた、という噂は以前からあった。