国内でも“追う立場”。抵抗勢力としての戦術が欧州でも奏功
リッチクラブの1つになりつつあるドルトムントではあるが、プレースタイルはFCポルトやアヤックスとは少し違っている。ブンデスリーガにバイエルンという突出したビッグクラブがある以上、ドルトムントは常に抵抗勢力だからだ。
香川をマンチェスター・ユナイテッドに引き抜かれたのは仕方ないとしても、ゲッツェをライバルのバイエルンに獲られ、さらにレヴァンドフスキの移籍も決まっている。財力と戦力に差があるかぎり、バイエルンと同じサッカーをしていたら差が開いてしまうわけだ。
クロップ監督はポゼッションをベースとした戦法をとらず、獲得費用のかかる技巧派ではなく運動量のある選手を揃えて活かしてきた。いってみれば、バイエルンのパスワークを破壊できるチーム作りを進めてきた。
技術の差が目立たなくなるほどプレーのテンポを上げ、激しく守り、効果的なカウンターを繰り出す。国内では王者然としているFCポルト、アヤックスとはこの点が違っている。
立場と戦術傾向がドルトムントと似たクラブとしてはアトレティコ・マドリーが挙げられる(今シーズンはついにCL決勝へと駒を進めた)。
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