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貧乏でも強豪になれるか?CLに見る、“お金がなくても強かったクラブ”の成功例を読み解く

text by 西部謙司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

ジャイアントキリングのドルトムント

 安定した実力をキープしているFCポルト、アヤックス、リヨンとは違って、“一発屋”的な躍進をみせたチームもある。

 03-04シーズンの決勝をポルトと争ったモナコだが、ここ10シーズンでベスト8入りできたのはこのときだけだ。CL準優勝のシーズンも財政が逼迫していて降格寸前だった。

 当時、モナコにはクラブハウスがなく何個かのトレーラーハウスがあるだけ。1個あたりの広さは4畳半ぐらいだった。ただ、税金免除のためにジュリー、エブラ、モリエンテスといったスター選手が在籍していた。CL準優勝以降は主力を引き抜かれて弱体化し、一時は2部降格の憂き目をみている。

 08-09シーズンにベスト4まで勝ち上がったビジャレアルもモナコのパターンだ。レアル・マドリー、バルセロナに次ぐ国内第三の地位まで上り詰めながら、CLと国内リーグの両立を続けられるほど“体力”がなく、やはり2部へ降格した。

 ベスト8入り3回のデポルティーボ・ラ・コルーニャも同様で、やはり2部降格を経験。この経営規模のクラブがCLでビッグクラブと張り合うと、どうしても無理がたたって落ち込みが大きくなる。

 昨季のファイナリスト、ボルシア・ドルトムントはCLになってからの13シーズンでベスト8入り4回、96-97シーズンでは優勝している。

 戦績はFCポルト、アヤックス、リヨンと同じぐらいだが、12-13シーズンのデロイト番付では11位、前年も12位、その前が16位。売上高は右肩上がりでトップ10入りも目前だ。

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