国内とCLのギャップを埋めたポルト
良い選手は金で買えるが、良いチームは金では買えない。これはサッカー界の格言なのだが、かつて成金扱いされていたチェルシーもCL優勝を果たしているし、シティやPSGの順調な強化ぶりをみると、どうやら強いチームは金で買えるようである。
金があればいいというものではないが、金がなければどうにもならないのが現実だ。ただ、比較的お金のないクラブでも大きな成功を収めた例はいくつかある。
ポルトガルの名門、FCポルトはデロイトのランキングでトップ10入りしたことがない。ライバルのベンフィカは何度か20位以内に入っているが、FCポルトはそこにも入らない。しかし、03-04シーズンにはポルトガルのクラブとしては唯一のCL優勝を果たしている。
チャンピオンズカップがチャンピオンズリーグと名称を変えた92-93シーズン以降、ポルトは6回のベスト8入りを果たしている。
昨季までのベスト8入り回数のトップは、バルセロナ、バイエルン、マンチェスター・ユナイテッドの12回。これにレアル・マドリー、ミラン、チェルシー、ユーベ、アーセナル、インテル、ポルトまでがトップ10だ。対費用効果という面で、FCポルトは抜群の成功を収めている。
FCポルトの栄光はピント・ダ・コスタ会長とともにある。
もともと20歳からポルトのローラーホッケーやボクシング部門で働いていたが、サッカーと関わるようになったのは1976年だった。それ以来、国内リーグは優勝22回、2位が11回、3位5回、とトップ3を外したことがない。
その間、86-87のチャンピオンズカップで初優勝、02-03はUEFAカップを制覇し、翌シーズンはCL王者に輝く。そして10-11はEL優勝を果たした。
FCポルトの強さは安定感にある。
CLでは中小規模だが、国内ではベンフィカ、スポルティングとともに3大ビッグクラブである。FCポルトのように、国内とヨーロッパで立場が変わるクラブはいくつかあり、ポルトガル、フランス、オランダのトップクラブはだいたいそういう位置づけだ。