乱暴行為による一発退場。規律を重んじる指揮官との信頼関係を損なう
4月10日以降、練習場に姿を見せず、中東クラブへの移籍を噂されていたレアンドロ・ドミンゲスだが、ここにきて彼の移籍先が海外ではなく、Jクラブが濃厚であると各紙が報じている。
2011年のリーグMVPであり、柏レイソルのリーグ初優勝最大の原動力となったL・ドミンゲスが、そもそもなぜ柏を去らなければならないのか。L・ドミンゲスとネルシーニョ監督との確執が取り沙汰されているが、“確執”の一言で片づけられるほど、事態は単純ではない。
4月2日、ナビスコカップ第2節のヴァンフォーレ甲府戦の終了間際、L・ドミンゲスは相手選手への乱暴な行為で一発退場となった。これを機にネルシーニョ監督はL・ドミンゲスをしばらくメンバーから外すことを決断し、週末のJ1第6節セレッソ大阪戦からベンチ外としている。
こうしたL・ドミンゲスの一発退場はこの時に限ったものではなく、今年2月のプレシーズンマッチちばぎんカップでも相手選手への肘打ちで一発退場になっており、その時もネルシーニョ監督から厳重注意を受けたばかりだった。
また、2012年のリーグ最終節の鹿島アントラーズ戦でも暴力行為で公式戦3試合出場停止処分となり、その直後の天皇杯を欠場せざるを得なくなっている。
退場で試合中に人数が欠けることほど苦しいものはない。激しいコンタクトプレーでのカードなら仕方のない部分はあるにせよ、規律を重んじるネルシーニョ監督はこうした乱暴な行為による一発退場を嫌った。L・ドミンゲスが退場になる度に、その都度ネルシーニョ監督は厳しく注意を与えた。
今回は2月に厳重注意を与えたばかりだというのに、それから約1カ月半後に同じ行為を繰り返したことがネルシーニョ監督の逆鱗に触れ、「頭を冷やせ」という意味合いを込めて4月6日、J1第6節のC大阪戦からメンバー外となるのである。
したがって、ネルシーニョ監督とL・ドミンゲスとの間に確執があったというよりは、規律を守らない行為をしたがゆえに、信頼関係が徐々に損なわれていったと表現する方が適切である。