ファン・ハールの招聘は“劇薬”。内紛勃発も覚悟するべき
しかし、ファン・ハールは“システムに選手を当てはめる監督”というイメージに関して、08年に否定している。
「システムは選手に依存する。アヤックス時代は4-3-3、バルセロナ時代は2-3-2-3、AZでは4-4-2のシステムで戦った。私は柔軟だ。しかし、哲学は常に一貫しているよ。
選手が全ての状況に適応出来るとは思っていない。選手には正しい考え方が必要である。それは選手がどのような監督に出会えるか次第だ。また、その逆も同じだよ。
監督はチームの焦点だが、全ての選手に心を開く必要がある。一つのゴールを決める為には、チーム全員の協力と戦術的な準備が不可欠だ。ピッチ上では選手それぞれが、彼らがどこに居るのか理解している必要がある。
選手同士が相互理解を深める為には、絶対の規律が必要だ。サッカーは22人が演じるチームスポーツだ。各個人は、チームメイトをサポートする為に存在することを忘れてはいけない」と語っているのだ。
これが事実であれば、監督の意図を理解し懸命にアピールすればチャンスは与えられるだろう。さらに香川は決して個人主義者ではないため、むしろ気に入られる可能性も秘めているだろう。
ただ、過去の例を見ても一つだけ言えることはファン・ハール政権が長続きはしないということだ。1年でのチャンピオンズリーグ復帰は可能だろう。優勝も有り得る。しかし、2年目か3年目には選手と衝突し内紛を巻き起こして去っていく…という事態も覚悟しなくてはならないだろう。
様々な意味でファン・ハールの招聘は“劇薬”となりそうだ。とは言え、ファーガソンが築き上げた「マンチェスター・ユナイテッド帝国」を一度壊したいのであれば適任者でもあるだろう。
【了】
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