サンパウロで勃発したデモ。W杯期間中の混乱に懸念
今週火曜日、サンパウロでは大規模なデモが行われた。
このデモは通称「セン・テット」(直訳すると屋根なし)――「モビメント・ドス・トラバリャドーレス・セン・テット」という労働組合が主導するものだった。平たく言えば、ホームレスの集まりである。
サンパウロの中心地に3000人もの人間が集まり、道路一杯に広がって行進した。デモの参加者は、ゴミ箱を倒し、車のタイヤを積み上げて燃やした。通りのあちこちで煙が立ち上り、騒然とした雰囲気となった。
ゴミの中にはスプレー缶のようなものが含まれており、炎の中から爆発音が聞こえることもあった。
今年は大統領選挙の年ということもあり、ブラジルではこうしたデモが頻発している。
この夜は「セン・テット」に加えて、ワールドカップ反対のデモも起きていた。こちらは参加者が800人程度である。
かつてのブラジルはサッカーを全てに優先した。ワールドカップでこの国のセレソンが好成績を挙げれば、政治に対する民衆の不満は吹き飛ばすことが出来た。
しかし――。今年1月25日、反ワールドカップ・デモで135人、続く2月22日のデモでは260人の拘束者が出ている。これは無視できない数字である。
ブラジルのサッカー関係者が懸念しているのは、ワールドカップ期間中にこうしたデモが起きるか、どうかである。