ミラン、フリーキックを蹴る基準
――しかし、ミランの現有戦力を考えれば、3人の2列目がいる布陣ではなく、あのアンチェロッティ時代のようなクリスマスツリー「4-3-2-1」がより適しているのではないか。そう指摘する声が決して少なくはない。あるいは、4-2-3-1でいくとしても、いざ相手ボールになった際の布陣は今より多少なりとも慎重であるべきではないのか。
「それについてはこの僕からは何とも言えないよ。あくまでも僕ら選手は監督の指示に従ってプレーする立場にあるんだし、それこそ監督の指示があれば僕はどのポジションだってやる用意がある。
それに、システムに関して言えば、普段のトレーニングではいくつもの形を試しているというが実態なんだ。つまり、ここでも言わなければならないのは、今のミランが“時間”を必要としているってこと。今の僕らは色々な形や組み合わせを試している最中だし、でも次第に最も適したシステムを見出すところにまで近づいているように思う」
――ところで、FKについて一点だけ。日本代表やロシアではFKを蹴るのは本田と決まっていたんだが、ここミランではバロテッリや君といった名手がいる。キッカーはどのように決めているのだろうか?
「この僕がFKの名手!? ノー、ノー、ルイウ。それは何かの間違いだよ(笑)。とにかく、ここミランでFKを誰が蹴るか、その基準は明白。右のエリアならば左利きの本田、中央と左からのFKならばマリオ(・バロテッリ)。で、セットプレーの場合、いわゆるクロスのボールを入れるのは本田、またはモントリーボ。そしてコーナーは常に本田。これが基本だよ。
もちろん時と場合によっては変わることもあるんだけどね。例えば、より強烈なシュートが必要な場合にはラミがキッカーになるというように」
【了】