開催前の調査がなかったブラジル
ただ、北、中、南米サッカー連盟で手を上げたのはブラジルだけだった。つまり無風選挙である。
W杯開催には大きな経済効果がある。日本や韓国は綿密な開催提案書を作り、自分たちの国でW杯を開催すればすばらしい大会になるかアピールしてきた。
そしてFIFAは調査団を結成し、開催予定地を訪れ、計画の実現性を調査したものだ。ところが、ブラジルは開催決定前にこうしたインスペクション(調査)を受けていないのだ。
W杯は巨大なビジネスとなり、その果実をできる限り自らの懐に入れようとFIFAは肥大化した。官僚的になったFIFAがしたたかなブラジルに困惑している姿が手に取るように見て取れる。
バルケは「開幕戦を乗り切ったら、実行委員会の会長とカイピリーニャを飲んで、大変な仕事だったねと乾杯するだろう」と冗談交じりに語っている。
カイピリーニャはブラジルの酒「ピンガ」を砂糖とレモンジュースで割った、甘く、強いカクテルである。バルケにとっては苦い酒となるかもしれない。
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