高い集中力を求められた長友。試合を支配しながらカウンターを警戒
試合前、クルバ・ノルドが見事なコレオグラフィーを展開する。サポーターの応援表現に規制や処分が相次いだ今シーズン、「スタジアムにファンがいなければフットボールではない」というメッセージを込めたものだ。
本当は前半戦のミラノダービーで用意するはずのものだったが、ミランサポーターが処分を受けてしまったため、連帯の意を示すためにお蔵入りとなっていたものだった。
そういったわけで試合前には大迫力の演出があり、ピッチではビッグクラブの対戦と呼ぶにふさわしい緊張感のあるゲームが繰り広げられていた。
その中で、予想以上に良い内容のプレイを見せていたのはインテル。特に最近中盤に定着したコバチッチが持ち前の高い技術をフルに発揮し、前半は彼を中心にナポリのプレスを空転させ、試合を支配していた。
それが持続出来ればドロー決着もなかったのではと思ったが、長友に言わせればむしろ難しい試合だったという。
「相手が引いて守って、前から来る感じじゃなかったんで。まあ言ったら、相手の戦術に逆にはまっていたんじゃないかなと思いますね」。
3位にいるナポリは、インテルにボールを持たせつつカウンターに的を絞っており、実際に危ない場面を作っていたのも事実だ。その中で長友にとっても、攻撃的に行きながら裏のスペースのケアには最大限の集中を求められるゲームとなっていた。