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マンU、ギグスは“正式監督”に相応しい人材か? ルーニーは太鼓判、現地識者も支持が多数

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「一流監督を支えた経験のある助監督や1軍コーチの存在も必要」

 試合をライブで放映したスカイスポーツの解説者3人は次のように評した。

――ドワイト・ヨーク解説者(元ユナイテッドFW)

「ギグスが新たな先発メンバーを選出したことで、少しの改善点が見られた。相手のペナルティエリアに入り込む選手が増え、攻撃に賭ける人数も増えた。試合も支配していたが、問題はゴールに繋がる最後のパスが良くなかった。

 開始2分にバレンシアが潰した好機がその例だ。彼のクロスは狙い通りの場所へ飛ばなかった。そうした点においては残念だったが、最初の40分はノリッチの守備も良かったと言える。バレンシアのクロスの質は低かったし、彼のクロスには確信が持てなかった。前半の最大の問題点はそこにあった。

 試合を楽しめたのは後半だった。前半は低調だったが、前半終了間際の先制点が試合の流れを変えた。後半開始直後に2点目が決まると、選手たちは緊張から解放され、楽しんでプレーしていた。選手全員が積極的にボールに絡もうとしていたし、自分たちのプレーを表現していた。

 彼らは今季、オールド・トラッフォードで緊張にのまれ、結果を出せてこなかったから、前半は守るノリッジに対して忍耐強く戦う必要があった。しかし、先制点が決まるとノリッジも戦術を変えざるを得なくなったため、試合の流れが変わった。

 マタは素晴らしかったし、彼が違いを作った。彼は新体制になっても定位置を確保できると思っていただろうが、先発落ちという挫折を味わった。だが、60分から途中交代で入ると、大きな違いをチームにもたらした。ギグスの交代起用は素晴らしかったし、これでチームに自信もついただろう。

 今日のパフォーマンスを見る限り、ギグスにはユナイテッドを指揮する力がある。ホームでの3連戦の初戦で素晴らしい結果を築くことができたが、次の2試合でも同じような結果を出し、選手たちを考えさせなければならない。

 彼は監督に就任した日から周囲の信頼を受けていたし、彼の基盤は整っている。彼がすべきことは今日の試合で築いたような結果を出し続ける事だ。

 ニッキー・バットは2軍でコーチをしていたし、ポール・スコールズも素晴らしい選手でありコーチもできるから、そうした人間をギグスの周りに置くことは重要だ。

 だが一方で、ギグスが正式に監督になるのであれば、一流監督を支えた経験のある助監督や1軍コーチの存在も必要となってくるだろう」

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