情状酌量の余地はあるが、10番として反省点も多い
本田が指揮官の信頼を享受しているという事実は嬉しいことだが、ローマ戦ではさすがに無理があったと言わざるを得ない。就任当初の試行錯誤を終え、セードルフの頭の中には現時点での理想のフォーメーションがきっちりと出来上がっている。
右サイドを守る上ではポーリより本田が適当――なのではなく、実は本田以外の構想は出来なかった。特攻を強いたのは、急造監督ゆえの限界もあったのではないのだろうか。
もっとも、劣勢の中でも少ないチャンスを活かし、堅いDFを割ってパスをねじ込む技術と力量が10番を背負う選手に要求される。ローマ戦での本田はそれを満たせなかったので、コンディション不良という情状酌量の余地はあっても、低評価もやむなしだった。
試合後、地元TVのインタビューに応じたバロテッリが、「君はなぜ前線で動かないんだ」というコメンテーターの指摘に腹を立て「あんたサッカー分かってねえよ、ボールが来ねえんだよ。だからサイドに流れてたんだろうが!」とケンカ腰に言い放っていた。
中盤でのミスパスはカカーも相当酷かったし、バロテッリ自身もボールをキープ出来ていなかったが、パサーとしてFWを孤立させてはいけなかった。考慮すべき点があるとはいえ、本田にとって反省点の多いローマ戦と言える。
【了】
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