広島の前に立ちはだかった守護神・曽ヶ端
そんな中、広島の前に立ちはだかったのが守護神・曽ヶ端準だ。33分の水本裕貴のシュート、44分の佐藤寿人のボレーを防ぎ、安心感をもたらした。そしてキャプテンの小笠原満男は若手センターバックを鼓舞し続け、時には自陣深くまで守備に回るなど若手をサポートした。
周囲に良い影響を及ぼす彼らのパフォーマンスは、決してこの日に限ったことではない。それでも若手が自信を持って戦えるよう、経験豊富なベテランが要所をしっかり締めていたのが印象的だった。
ここ2試合で5失点の鹿島だが、この日は前線からのプレスとブロックを作っての守備が機能。特にダヴィを出発点とする高い位置でのプレスは後ろの選手たちを助けた。また若いセンターバックも佐藤への監視を怠らず、マークの受け渡しも概ねスムーズだった。
後半はサイドから多くのクロスが送られたが、そこは昌子と植田が責任を持って跳ね返してシャットアウト。J1通算139点目を狙う相手ストライカーに仕事をさせず、無失点での勝利に貢献。リーグ王者を相手に完封できたことで、手応えを感じられたはずだ。
若い選手が存分に持ち味を発揮し、屋台骨を支えるベテランが円熟のプレーでチームを引っ張った。広島という難敵に対して3点を奪い、1点も許さなかった。そして、連敗を止めるとともに首位も奪取。鹿島にとって、この日の勝利は勝ち点3以上の価値がある。
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