リヴァプールを襲う“シティ派軍団”からのプレッシャー
直接対決ということもあってリヴァプール対チェルシーに注目が集まりがちだが、このロンドンのパンクスたち以上にマージー・ビートにとって驚異となりそうなのが、スタイリッシュなマンチェスターの新興勢力だ。
痩身で面長なシルエットがオルタナのカリスマ、モリッシーを彷彿とさせるマヌエル・ペジェグリーニ監督に率いられたスカイブルーの“シティ派軍団”は、1試合を多く残している。
仮にこの1試合を勝利として計算すれば、リヴァプールとの勝ち点差は3となる。さらに、27日のクリスタル・パレス戦は首位決戦の直後に行われるだけに、リヴァプールにとってはもう一つの大きなプレッシャーとしてのしかかってくるだろう。
しかし、シティにとってもこのクリスタル・パレス戦、5月3日のエヴァートン戦と続くアウェー2連戦は大きな山場と言えるだろう。
クリスタル・パレスはトニー・ピューリス監督の下、チェルシーを下して5連勝中と絶好調。さらにマージー・ビートの青い方、エヴァートンもロベルト・マルティネス監督の下、軽快なリズムから多彩な攻撃を繰り広げて今シーズン大ブレークを果たしている。
音楽史では、60年代初頭にマージー・ビートが隆盛し、70年代に反抗する形でパンク・ロックが誕生。80年代には入れ替わるようにオルタナティブ・ロックへと変化していった。リヴァプール、チェルシー、マンチェスター・シティの歴史はまるでこの音楽史をなぞっているかのようだ。
毎シーズンのように激戦となるプレミアリーグの優勝争い。今シーズンはどこが制するのか、この4月27日の第36節は大きな分岐点となりそうだ。
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