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最高の結果で再出発のマンU。ギグス新監督はなぜ香川を先発させ、モイーズ体制から何を変えたのか?

text by 海老沢純一 photo by Asuka Kudo / Football Channel

プレー内容でも大きな変化。香川は及第点も悔しい途中交代

 実際にプレー内容でも1週間前までとは明らかに違っていた。試合開始早々は息が合わないシーンもあったが、それは急遽新体制となったこともあって当然だ。それでも安易なサイド攻撃に終始することなくしっかりとつなぐ意識を持って試合に入ったことは明白だった。

 パス本数でも632本を出し554本を通している。プレミアリーグにおいて、モイーズ体制で500本を超えるパスを通したのは2月9日の第25節フラム戦(2-2)までかかっていることからも、わずか1試合で達成したことは大きく変わった証だ。

 もちろん、ノリッジのパフォーマンスが著しく悪かったことも要因の一つだろう。特に、右サイドバックのスティーブン・ウィテカーが-63点という驚異的に低いパフォーマンス・スコアを記録するなど、守備の緩さは顕著だった(スカイスポーツの採点では両チーム最低点タイの5点。ファン投票による採点では4.2点と単独最低点だった)。

 ディフェンスラインの前に広大なスペースを生んでしまっては、どんなチームが相手でも大量失点を喫しているだろう。

 もちろん、例え相手が良かったとしてもこの勝利は大きい。全てのファンが夢見て、こんなにも早く実現してしまった「ギグスに率いられたユナイテッド」の初陣だけに、難しさもあったはずだ。

 さらに香川真司にとっては、この試合で先発起用されたことは重要な意味を持つだろう。約2シーズンを選手としてともに戦ってきたギグスが“シンジは先発に相応わしい”と判断したのだ。

 しかし、本人は悔しかったに違いない。パフォーマンス・スコアでは26点と及第点の評価だったが、この程度で「良いプレーだった」というのは彼を過小評価している(スカイスポーツの採点は7、ファン投票では7.5と先発メンバーではルーニーに次ぐ高い評価)。

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