絵になる男ギグス。モイーズ政権で離心したファン、選手の心を掴む
やはり絵になる。細身のスーツに身を包んだライアン・ギグスがオールド・トラッフォードに立つ姿は新鮮ながら、どこか風格も感じるものだった。ベンチに座れば脇にはニッキー・バットとポール・スコールズ。90年代を知るファンにはたまらない3ショットだ。
1973年11月29日にウェールズで生まれたギグスは40歳にして未だ現役の選手である。ユース時代にはライバルのマンチェスター・シティに在籍していたが、アレックス・ファーガソン監督からのスカウトによって14歳の頃にユナイテッドに加入した。
90-91シーズンにトップチームデビューを果たすと、35ものタイトルを獲得。ここまで24シーズンで公式戦962試合に出場し168得点を記録している。さらに、デビューから昨シーズンまでプレミアリーグにおいて23シーズン連続得点という金字塔を打ち立てている。
クラブの象徴的存在とも言えるギグスが暫定監督に就任すれば、反対する人物はいないだろう。全てのファンから愛され、選手からも慕われているギグスであれば、モイーズ政権でバラバラになった心を再び一つにすることが出来るはずだ。
そして、それは就任1試合目となったノリッジ戦で既に証明されていた。ウェイン・ルーニーとフアン・マタの2ゴールによって、5日のニューカッスル戦に続いて今シーズン2度目となる4-0で勝利。
オプタ社による攻撃、守備、ポゼッションでの評価を示すパフォーマンス・スコアでは今シーズン最多の516点を記録した。この点数は出場した全選手のスコアを合計した数字のため、多くの選手が好パフォーマンスを披露したことを示している。