「本田はプレー出来るようなコンディションじゃない」
ただ本田の起用も含め、セードルフ監督の采配について地元記者の間には疑問が残ったようだ。ガゼッタ・デッロ・スポルトのマルコ・パソット記者は首をひねっていた。
「ボネーラも遅い、中盤2人も遅い、そしてCBも遅い。そこに加えて本田も速くはないし、何より故障明けだ。セードルフは一体何を考えて、ジェルビーニョを筆頭に速いアタッカーが揃うローマ相手にこんな采配をしたんだろう」
「本田起用の理由? 分からんよ。本田がプレー出来るようなコンディションじゃなかった事は見て分かるだろう。ポーリを使えば良かったんだが、セードルフにはそういう柔軟性はないんだよ」
こう吐き捨てたコリエレ・デッロ・スポルトのフリオ・フェデーレ記者は「見ててみろ、セードルフはシーズン後に解任されるよ」とも語っていた。
故障明けでいきなり80分間動き回る事だけでも大変だったはずだが、チーム共々本田は不憫な評価を受ける事になってしまった。それにしても気になるのはセードルフ監督の境遇である。
確かにローマは圧倒的に強かったものの、選手起用やアプローチに対し地元メディアはまた不信感を強めたようだ。ミラノダービーを迎えるまでの一週間、指揮官の去就を巡って報道が過熱しそうだ。
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