選手の売り買いで稼ぐチーム
最後に昨年夏の移籍マーケットでの「選手補強金額」が今季の順位にどれだけ反映されているのかを見ていこう。
夏の移籍マーケットでプレミアリーグの20クラブが投じた資金は総額6億3000万ポンド(約1081億5500万円)だった(『デロイト』調べ)。これは2008年夏の5億ポンド(約858億3700万円)を超える最高金額となった。
通常、この問題を考察する際には「いくら使ったのか」、つまり支出を見るものだ。だが、移籍マーケットでの活動とはIN&OUT、つまり選手の購入と売却である。経営面でみれば、移籍マーケットで最終的に見るべき数字とは、「IN&OUTの収支」である。
この観点から「移籍金支出ー(マイナス)移籍金収入の収支リスト」が浮かび上がる(表4:『サッカー批評』編集部調べ、金額は推定。単位はポンド)。
ややわかりづらいが、最後の3クラブの「ー(マイナス)」は選手を売却した利益のほうが移籍金支出を上回っていることを示すので、純利益をあらわすと言える(逆に赤字表記の上位17クラブは支出が収入を上回っている)。
トッテナムは移籍マーケットで1億ポンド(約171億7930万円)以上を投じたが、ガレス・ベイル(レアル・マドリー)の売却益で収支はプラスに転じた。同様にエヴァートンはマルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)の売却益が移籍マーケットでの収支に大きく影響している。
【次ページ】資金を投じて順位を獲得しているシティ&チェルシー