「その質問には答えない」(セードルフ監督)
本田が途中から出されるとすれば、当然攻撃の一手が必要とされる時になる。ただ今季のローマは攻撃的でありながら非常に守備が堅く、ここまでの総失点19はリーグ最小。その秘訣は前線から猛烈に掛かるプレスと、帰陣が早くて即座に整うゾーンディフェンスにある。
エリアに入る前にプレスを掛けてスペースを潰してくるが、その間隙を縫って前線の味方にパスを通せるかどうかが、本田には問われてくるだろう。出来れば100%の状態で力を試す様を見たかったが、出場の場合はそんなところに注目したい。
ところで最近の会見では、セードルフ監督が「その質問には答えない」「明日の試合に関係する事だけ話す」とぶっきらぼうに言う事が増えてきた。
「ベルルスコーニ会長と最近話はしましたか?」「選手から信用がないと報道されていますが、それについては?」などという質問が飛んでくるのだ。フィオレンティーナ戦以来5連勝を挙げているものの、なぜか「解任」という声が日増しに強くなってくる不思議な状況にある。
セードルフの指導に反感を持つ不満分子がチームにおり、それが幹部に取りあった結果こういう状況が生まれている、という見方もある。いずれにせよ、ローマ戦で失態を犯せばまたメディアからの批判は強くなるだろう。
数字の上では優勝の可能性すら残す相手に納得の内容を見せ、雑音を封殺することが出来るか。指揮官のアプローチとミランの奮起に注目したい。
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