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レアルですら王者にとっては期待外れ? 敗戦もペップ・バイエルンにみなぎる“逆転への自信”と“余裕”

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

ロッベンにとってマドリーは期待外れ?

レアルですら王者にとっては期待外れ? 敗戦もペップ・バイエルンにみなぎる“逆転への自信”と“余裕”
先制弾を奪ったのはベンゼマ(マドリー)だった【写真:原田亮太】

 しかしそんな中で先制弾を奪ったのはマドリーだった。19分、マンジュキッチの落としにクロースがダイレクトでシュートを放ち、ペペに当たって跳ね返ったボールをベンゼマがなんとか拾う。繋いで左サイドでボールを受けたロナウドが、駆け上がるコエントランへとボールを送る。折り返されたボールを、ベンゼマが鮮やかに流し込んだ。

 鼓動高鳴る攻防が続いたその後71分間で、結局バイエルンはこの1点を覆すことはできなかった。そしてこのベンゼマがバイエルンに対して挙げた1ゴールをどう捉えるかは非常に難しい。マドリーがミュンヘンでの第2戦を迎えるにあたってのアドバンテージであるのは間違いない。

 試合後のロッベンは言う。

「私はもっとマドリーに期待していた。門から飛び出してくるものと期待したが、代りに彼らは待ち構え、私たちにゲームを支配することを許した。そのことは私を驚かせたよ」

 ロッベンの言葉は、マドリーを挑発する強がりとも取れるし、第2戦に向けての心の余裕とも取れる。要するにベンゼマの1ゴールは、ロッベンの言葉そのまま、バイエルンの立場を非常に危うくしたものであるのと同時に、バイエルンにとって十分に逆転可能なスコアの差でもあるという、ちょっとした二面性を持っている。

 マドリーとしてはミュンヘンのアウェイではスコアレスのドローでも十分ではあるが、仮に敵地で1ゴールでも上げれば、アウェイゴールの兼ね合いでその途端にバイエルンは3ゴールを奪わなくてはならなくなる。

 マドリーの持つ驚異的な破壊力とカウンターを考えれば、アウェイゴールを積み重ねることは十分に可能だ。一方でバイエルンが2ゴールを上げて逆転することも、十分現実的な範囲ではある。

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