内紛の犠牲となる本田
4月16日、ミランの株主総会でバルバラはガッリアーニを追放する予定だったが、それはなくなった。ガッリアーニの地位は急速に回復している。とはいえ、内紛がおさまったわけではない。
カカーやバロテッリなど主力を放出せざるを得ない状況(CLを逃したことによる年俸カットが原因。デ・シリオはレアル・マドリーに行く見込みだという)では、成績が上向くことは考えにくい。バルバラは来季の不振をガッリアーニに押し付けようとしているのだ。
以上がミラン内紛の一連の流れだ。ここに書ききれない酷い出来事は山のようにある。
さて、クラブが沈みゆく中で、本田圭佑はどうであろうか。本田を連れてきたガッリアーニは来季も残る。後ろ盾があるにはあるが、今季のような低迷ではガッリアーニともども責任を問われることになるだろう。
なぜなら本田は10番だからだ。今季はまだ加入間もないというところで目をつぶってきたことも、来季はそうはいかない。チームを牽引する選手として、批判の集中砲火を受けてしまうことは容易に想像できる。
ある意味、本田はミラン内紛の犠牲になっていると言える。さらなる活躍を願ってやまないが、サッカーは一人ではできない。ピッチの中だけでは解決できないこともある。このような状況で本来の力を発揮していくのは簡単ではない。
来季は新監督の下で、一からミランは出直すことになる。財政的な問題もあり、若手の起用も増えるだろう。再建への道のりは楽ではない。長期にわたってかかるかもしれない。ビッグクラブでプレーすることを願っていた本田だが、果たしてこのような状態のクラブがビッグクラブと言えるだろうか。
本田は27歳。キャリアのピークをミランで過ごす。サッカー人生のハイライトを飾るのか、ミランにいることで大きな犠牲を払うのか、数年後、いや来季にもそれは明らかとなる。
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