敗戦で歓喜した“バルバラ派”
ここ数試合、結果を出しているACミランのクラレンス・セードルフ監督だが、今季をもっての解任は現時点で確定事項だという。ミランを長年追うクリスチアーノ・ルイウ記者からこんな情報が寄せられた。
後任は現在ミランのユースで指揮を執るOBのフィリッポ・インザーギ、もしくはゼニト・サンクトペテルブルクを解任されたルチアーノ・スパレッティ。その中でもインザーギが有力だという。
セードルフの契約期間は2年半。年俸は300万ユーロ(約4億2000万円)。今季までで解任となると2年間分、8億4000万円もの違約金を支払う義務が生じるのだが、それでも解任に踏み切る理由はどこにあるのか。
これにはミランの内紛が大きく関係している。順を追って見ていこう。
2014年1月、ミランのオーナーであるシルビオ・ベルルスコーニとその娘バルバラはアッレグリ監督の解任に向け動いていた。アッレグリはスポーツダイレクターのアドリアーノ・ガッリアーニが連れてきた監督。バルバラはガッリアーニの地位を失墜させたいのだ。
結果は周知の通り。アッレグリは解任され、彼を招聘したガッリアーニの信頼は失われた。なお、きっかけとなった1月12日のサッスオーロ戦では敗戦すると、バルバラ派は歓喜の雄叫びをあげたという。
ガッリアーニはオーナーの命を受け、次期監督としてセードルフに声をかける(実は最初の“声がけ”は1月3日である)。ガッリアーニはチーム状態の悪さからインザーギを内部昇格させ、繋ぎ役とする案を進言するも、セードルフは断固として拒否。
この2人は犬猿の仲。セードルフはガッリアーニが自分のミラン入りを拒否していると考え、ガッリアーニとの仲はさらに溝が深まる。以降、バルバラ派とのみ接触するようになり、ガッリアーニは3月半ばまで蚊帳の外に置かれてしまう。