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モイーズの成績不振、早期解任でマンUの損失は90億円以上。クラブの偉大なる価値観も崩壊

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

長期政権を引き継ぐ難しさ。ファーガソン=タモリ?

モイーズの成績不振、早期解任でマンUの損失は90億円以上。クラブの偉大なる価値観も崩壊
アレックス・ファーガソン【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 そして、何よりも今シーズンはチーム自体が明らかに変革期に入るタイミングだった。

 ファーガソン監督と時を同じくしてCEOのデイビッド・ギルが勇退。今シーズンからはエド・ウッドワードがCEOに就任していた。10年以上もの間、蜜月の関係を築き中心人物としてチームを動かしてきた2人が同時に去っては、後を任された人物にとっては成功を期待する方が酷というものだ。

 もちろん様々な理由があるだろうが、本当にクラブのことを考えていたのであれば、示し合わせたようにそろって退任せず、1年だけでもずらして退任するべきだったのではないだろうか。

 そのような状況にあるクラブの監督就任を希望する人材が他にはいなかったという可能性は十分にある。

 ただ、モイーズは中堅クラブの監督を10年以上勤め上げただけに、ステップを上げたいという野心を持つことを否定することは出来ない。そんな時にユナイテッドから声がかかれば、飛びついてしまうことも致し方ないだろう。

 もちろん、6年契約を結んでいることからも“当て馬”という考えを持っていたということは無いはずだ。しかし、結果的にそうなってしまっただけにモイーズ監督にも同情の余地は十分にある。

 恐らくモイーズ監督の心情が現在、一番理解出来るのは「笑っていいとも!」の後番組を託された「バイキング」に関わる人々ではないだろうか? タモリという偉大な司会者の後任は誰であっても苦労するはずである。

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