「自分たちの勘違いだけは俺は怖い」
いまや「強すぎる湘南」として話題になっているが、この試合ではもうひとつ話題になったことがある。それは、前半を2-0のリードで折り返したときの湘南の曺貴裁監督のハーフタイムコメントだ。
「0-2が怖いのではなく、お前たちの勘違いが怖い」
このコメントが「熱すぎる」、「カッコ良すぎる」とサッカーファンの間で話題になっているのである。
実際の試合は、選手達は勘違いすることなく4-0で勝利。そして試合後の監督会見では、「ハーフタイムのコメントでもう1つ、勘違いという言葉を使っているが、そういう雰囲気があったのか?」との質問に対して、曺監督はこう答えている。
「いや、まったくなかったです。よく2-0の点差は危ないと言いますが、俺は危ないと思ってないと。俺が危ないと思っているのはお前たちの勘違いだと。
一緒のことだが言葉を変えて言っただけです。2-0で大丈夫だという雰囲気もなかったし、むしろアラートでした。
でもこのチームのいまの選手たちは僕のその言葉を受ける前に自分たちで整理しているので、いい意味で僕の言葉をいいふうに捉える事ができると思っているので、べつに勘違いしているとも思わなかった。
ただそのままでいいよというつもりもなかった。勘違いすることだけが怖いから、2-0だろうが1-0だろうがそんなことは怖くない、2-0だからビビッてやる必要はない。でも自分たちの勘違いだけは俺は怖い、だから後半0-0のつもりでやってくれと話して送りました」
なおこの日の曺監督の会見は、25分にも及んだという。
第7節ではジェフ千葉に完勝し、「オシム時代のジェフのようだった」とも讃えられた湘南。ハーフタイムの喝と、試合後の監督会見の盛り上がり…オシム語録ならぬ、曺語録が出来る日が来るかもしれない。
【了】