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「あの負傷で右足を失いかけた」。アトレティコ不動の左SBフィリペ・ルイスが語る怪我からの復活とアトレティコのアイデンティティー

text by 江間慎一郎 photo by Kaz Photography , Getty Images

シメオネのフィロソフィーを象徴する言葉“試合から試合へ”

「あの負傷で右足を失いかけた」。アトレティコ不動の左SBフィリペ・ルイスが語る怪我からの復活とアトレティコのアイデンティティー
シメオネのフィロソフィーを象徴する言葉“試合から試合へ【写真:Kaz Photography】

――現在のあなたは、アトレティコのアイデンティティーを共有する一人とされています。このクラブのアイデンティティーをどのように解釈しているか、説明していただけますか?

「難しいね(笑)。アイデンティティーは感じるものであり、試合を戦っていくことで身に付けるものだ。僕から言えるのは、(アトレティコの本拠地ビセンテ・)カルデロンに行けば必ず恋に落ちるということだね。

 ファンは僕たちを後押ししてくれるし、アトレティコは苦しみながらもそれを乗り越える術を理解している、ほかとは一線を画すチームだ。多くの人々が、アトレティコを信仰の対象のように扱っているね」

――欧州有数の“歌うスタジアム”として知られるカルデロンですが、そのピッチに立つ心境はどういったものなのでしょうか?

「カルデロンでは観衆から大きな後押しを受けられ、自分が最高の選手だと感じられるんだ。ここでプレーできることに本当に満足している。自分の名前を呼んでくれる時こそ最高の瞬間だね。そうなるまでに時間はかかったけど、名前を叫ばれることで、試合に臨む意気込みはさらに強くなるんだ」

――シメオネのフィロソフィーを象徴する言葉“試合から試合へ”は、チーム全体に浸透しているように見えます。そのように進むことで、リーガ優勝の道も開けるのでしょうか?

「僕たちは“試合から試合へ”進むことをだけを考えている。現時点で最終節のことを考えても、どのような意味も持ち得ないからね。監督は前の試合が終了した直後から、次戦のことを話し始める。

 ただ、次の試合より先のことは断じて口にしない。“試合から試合へ”は素晴らしいフィロソフィーであり、現にチームは結果を手にしている。選手たちは次戦のことしか考えておらず、最後に何が起こるかは、そのときが訪れまで待たなければならない」

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