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「あの負傷で右足を失いかけた」。アトレティコ不動の左SBフィリペ・ルイスが語る怪我からの復活とアトレティコのアイデンティティー

text by 江間慎一郎 photo by Kaz Photography , Getty Images

「戦術のメカニズムの共通理解が図られており、良いパフォーマンスを実現できている」

――アトレティコの攻撃は、あなたのオーバーラップを起点に展開されることが多いですね。

「左サイドにはアルダ・トゥランが位置しているし、コケも流動的だが、かなりの頻度で同サイドに寄ってくる。彼らはお互いを理解し合っており、僕も2人の創造的なプレーに絡めるよう試みている。

 アルダは凄まじいクオリティーを持つ選手であり、チームの攻撃は彼を中心に組み立てられるんだ。彼は世界最高の選手の一人であり、一緒にプレーできることは大きな喜びだね」

――堅守を大きな長所とするアトレティコですが、あなたが空ける後方のスペースには特に注意を払う必要がありますね。

「現在のチームは素晴らしい守備を見せている。僕がオーバーラップを仕掛けられるのは、アルダやほかのチームメートが、自分の空けたスペースを埋めてくれるという信頼があるからだ。このチームは戦術のメカニズムの共通理解がしっかりと図られており、それによって良いパフォーマンスを実現できている」

――アトレティコで、最も印象深かった試合を挙げていただけますか?

「(レアル・マドリーの本拠地サンティアゴ・)ベルナベウを舞台にマドリーと戦った、昨季のコパ・デル・レイ決勝戦(延長戦の末、2-1で勝利)だね。僕たちにとっては最も美しい試合だった。彼らのホームで勝利をつかむことは、本当に困難だからね」

――あなたはフィゲレンセ時代に、レンタル移籍によってマドリーのカンテラに在籍した経験がありますね。アトレティコの永遠のライバルですが、少しでも愛着はあるのでしょうか?

「ほかのライバルと大差はないよ。僕がプレーしたのはレアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム)であり、トップチームに在籍するのとは大きな違いがある。それに僕が在籍したのは、たった1年間だ。

 長い間在籍していた選手と比べて、特別な思い入れがあるわけじゃない。だけどスペインでプレーする扉を開けてくれたのはマドリーだし、もちろん感謝をしているよ」

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