観光スポットになっているはずだが…
アレーナ・コリンチャンスはサンパウロを網羅するメトロの3番線の終点、「コリンチャンス・イタケイラ」駅に近い(この3番線の反対側の終点に、コリンチャンスの宿敵パルメイラスのスタジアムがある!)。駅からスタジアムに向かう歩道はW杯に向けて拡張作業が続いていた。
アレーナ・コリンチャンスの収容人数は約6万5000人。W杯期間中のみ、2万人ほどの観客席が増設される。すでにスタジアムは観光スポットになっており、駅からはゆっくりとスタジアムに向かう人たちの姿が見える。
丘の上の見晴らしのいい場所からはピッチの芝を遠くに覗くことができた。その“特等席”近くには、飲み物の売り子の他、ユニフォームやポロシャツがフェンスに吊してある。そのユニフォームを見て、やはりそうなのだとぼくは自分の考えが正しかったのだと確信した。
スタジアムを見学に来ている少なくない人がユニフォームを着ていた。しかし、ブラジル代表のユニフォームを着ている人間は一人もしなかった。みな白と黒、あるいは黄色、あるいは紫のコリンチャンスのユニフォーム(もしくは練習着)なのだ。
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