UEFAの介入によって無効化されたクルトゥワのレンタル条項
もう一人欠場の可能性が懸念されていたチェルシーからレンタル移籍中のティボ・クルトゥワは、出場出来る状況になった。当初、レンタル契約の条項としてチェルシー戦に出場する場合には1試合につき300万ユーロ(約4億2500万円)を支払わなければならなかった。
2試合合計で約8億5000万円というレギュラークラスを獲得出来るほどの出費を強いられれば、どのクラブであっても痛手だ。経営難のアトレティコにとっては、より強烈な打撃となってしまう。
しかし、この条項に対してUEFAが無効であることを表明。クルトゥワはチェルシー戦に出場出来ることとなった。
これはアトレティコにとってはこの上ない朗報だ。現代のサッカーでは、ゴールキーパーはゴールマウスを守るだけではなく、チームの戦い方にも影響を与える存在だ。ラインの高さ設定やビルドアップの方法など、どのゴールキーパーを起用するかで大きく変わってくる。
ただ、UEFAによって突如無効とされてしまったこの条項は、珍しいものではなくスタンダードなもの。むしろ、この条項が無いレンタル移籍など有り得ないものだ。これまでもこの条項によって欠場した選手は数多くいたはず。なぜここに来て突然このような決定を下したのか疑問が残る。
仮にクルトゥワがビッグセーブを連発してアトレティコが勝利を収める展開になろうものならモウリーニョ監督がどんな言葉を発するか注目される。
こうしてほぼ万全な陣容で臨めることとなったアトレティコは、今大会でホーム5戦全勝。さらにイングランドのチームとのホーム戦では5勝4分け0敗と圧倒的有利な立場となっている。
チェルシーは、パリ・サンジェルマンとのベスト8でアウェーゴールを奪うことがいかに大切であるかを示した。アトレティコは、アウェーでの2ndレグを楽な状態で迎えるためにも複数得点+無失点で終えることが理想的だ。
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