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長友佑都 11年前

曲者攻撃陣を完全封鎖、守備で本領発揮。攻撃が“売り”の長友佑都が見せたDFとしての本分

パルマ戦、2-0の勝利に貢献した長友佑都。後半には自慢の攻撃力を発揮したが、注目すべきは守備力だ。そもそも長友はDF。彼の本業である守備で、役割をしっかりと果たした。

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ビアビアニー対策。深めのポジションをとった長友

「順位表はチームの価値を、正直に反映するものだと考えている」

曲者攻撃陣を完全封鎖、守備で本領発揮。攻撃が“売り”の長友佑都が見せたDFとしての本分
長友佑都【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 フィオレンティーナのモンテッラ監督は言っていた。実際6位にいるパルマは、常に説得力のある内容のゲームを展開していた。

 イタリア代表にも選出されたパレッタとベテランのルカレッリがコンビを組み、中央の守備は屈強。レジスタにコンバートされたベテランのマルキオンニに、パローロとガルガーノが絡む中盤の構成力も高い。

 そして何より、攻撃陣が危険だ。カッサーノは“ニセ9番”として前線で自由に動き、DFラインを翻弄してスルーパスを通す。しかもそのチャンスを活かせる俊足のアタッカーがいる。要注意はジョナタン・ビアビアニー。

 地元紙によると、ボールを持った状態でも30km/hほどのスピードが出せるのだという。先日のミラン戦で、スケロットとともにミランのDF陣をズタズタに切り裂いた姿を記憶されている方も多いことだろう。

 今季、彼らがホームで破れたのはユベントスとローマに対してのみで、しかもいずれも前半戦だ。EL出場権を巡る直接対決で、勝ち点3の奪取が厳命されるインテルにとっては、この攻撃陣を抑えて失点を防ぐことが勝利への第一条件となっていた。

 そういうわけで長友はこの日、守備から入った。深めのポジションをとり、最終ラインに残る。右サイドの高い位置に張り付いたビアビアニーを防ぐためだ。

 丁々発止のマッチアップは、前半から繰り広げられた。3分、ビアビアニーに対し高い位置からプレスを掛けて、タッチにボールを出させる。15分には逆に彼に対してフェイントを仕掛け、マークを外し縦パスを試みている。

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