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カップ戦決勝でも不利な判定。落日の元王者リヨンが失った“贔屓の笛”と新たに得た称賛

フランスのカップ戦決勝で疑惑の判定が生まれた。被害に遭ったリヨン陣営は怒りを露わにする。果たしてこれは優遇された笛だったのか。確かなのはいつの時代も強者には追い風が吹くということだ。

text by 小川由紀子 photo by Ryota Harada , Yukiko Ogawa

CL敗退を払拭する勝利のはずが…

カップ戦決勝でも不利な判定。落日の元王者リヨンが失った“贔屓の笛”と新たに得た称賛
リヨン対パリ・サンジェルマンの戦いはイブラヒモビッチ不在の試合だった【写真:原田亮太】

 4月19日に行われたリーグカップ決勝戦は、リヨン対パリ・サンジェルマンの戦いを、1-2でパリが制した。PSGは、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でチェルシーに敗れた直後のリーグ戦でリヨンに1-0で敗れていた。これでこのカップ戦決勝にも負けたら、3連敗を喫したバルセロナと同じ轍を踏むところだった。

 CL敗退後、PSGへの風当たりは冷たかった。

 イブラヒモビッチ不在の試合で、エールストライカーとしての役目を果たせなかったカバーニや、パフォーマンスが落ちていたチアゴ・シウバに対して「すでに気持ちはW杯にある。怪我をしないよう温存しているに違いない」などという声も挙っていたが、この試合ではカバーニが2得点。

 翌日のメディアには『カバーニ様々!』のような見出しが並ぶのだから、ゲンキンなものである。

 試合後、選手やスタッフはピッチになだれこんで喜びを爆発させていたが、その輪の中には、満面に笑みを浮かべたブラン監督の姿もあった。

 アル・ケライフィ会長から、CL敗退後に来季も続行(彼の契約には、1年目の成績を見て2年目を検討、という条件がついていた)の提示を受けていたが、ブラン監督は「リーグカップ決勝の結果を見てから」と返事を先延ばしにしていた。

 今季のノルマだったといわれる2冠達成、つまりは、昨季よりも成績を上げる、という目標をクリアしてから、という気持ちが指揮官にはあったのだろう。この勝利で続投の可能性も高くなった。

 しかし、清々しいはずの勝利に、判定ミスのおかげでとんだケチがついた。

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