パフォーマンスで評価するのは難しい内容。十分なアピールは出来ず
長谷部が負傷中のボランチでは、いずれも今回招集されていない遠藤保仁と山口蛍、細貝萌が完全に定着している。では、仮に長谷部が間に合わなかった場合、残りの1枠はどうなるのだろうか？
神谷氏によると、今回の招集メンバーでは青山敏弘にはチャンスがありそうだ。他の選手の関しては「柴崎岳はザックが求めているタイプの選手ではなく、長谷川アーリアジャスール、高橋秀人はインパクトを残す事が出来なかった」とW杯メンバー入りは難しい評価となった。
W杯のような短期決戦で鍵を握る「ジョーカー枠」には、既にザッケローニ監督からの評価も高い齋藤学が一歩リードか。
1得点1アシストを記録した南野拓実や原口元気に関しては「ザックがウイングに求めている『一度サイドに開いて相手SBを釣り出し、中に絞る』という動きが出来ていたとは言いがたかった。さらに、南野の得点に関しては相手にミスによる部分が大きかった」と神谷氏の評価は厳しいものだった。
センターフォワード争いで注目の川又堅碁と豊田陽平に関しては「ザックが求める相手DFを押し下げてクサビのパスを受ける動きは無難にこなしていたものの、飛び抜けたパフォーマンスを披露したとは言いがたいものだった。現時点では、柿谷曜一朗と大迫勇也を脅かす存在にはならないだろう」と、こちらも厳しい状況である事が分かる。
最後にチーム全体の評価に関しては「今回の練習試合では、流通経済大が90分間メンバーを代えなかったことで後半から明らかに足が止まっていた。そのため、試合のパフォーマンスで評価するのは難しい」と、十分なアピールが出来たとは言えない内容となった。
今回のトレーニングキャンプは、あくまでも「大枠に入っている選手たちを一度見ておこう」という程度のものだったのだろう。
ただ、これまでザッケローニ監督が固定してきた主力に負傷など不測の事態が発生すればW杯メンバー入りの可能性も出てくる。また何もW杯は今回だけではない。このキャンプで満足いくパフォーマンスを発揮できなかったとしても、「それはそれ」としてJリーグでクラブのために結果を残すよう努力を続けることが自分の将来を切り拓くことは間違いない。
【了】
