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経験値の高さでチームを引っ張っていく中澤聡太。日本人ACL歴代出場試合数1位に

text by いしかわ ごう photo by Kenzaburo Matsuoka

勝っているのに、なぜ彼は再開を急いでいたのか

 中澤聡太はガンバ大阪時代には08年から12年まで5年連続でACL出場。08年にはACL優勝を果たしており、その経験値の高さがチームに与える影響は大きい。

 例えば、第4戦のウェスタンシドニー戦ではこんな場面があった。終盤の88分、大島僚太の強烈なミドルシュートで逆転に成功。等々力のボルテージが最高潮に達しており、チームメートが集まって歓喜の輪を作っている中、中澤は「早く戻れ」とチームメートに再開を促していたのである。

 勝っているのに、なぜ彼は再開を急いでいたのか。

 試合後のミックスゾーンで「欲を言えば、もう一点取りたかった」と明かしている。というのも、ACLのレギュレーションでは勝ち点が並んだ場合は、当該チーム間の得失点差、総得点で順位が決まるのであるからである。

 アウェイでの試合を0-1で落としているフロンターレは、2-1ではなく3-1で勝っていれば、両者が勝ち点で並んだ場合に、ウェスタンシドニーより上にいけるのだ。ACLのレギュレーションをここまで把握し、そこに言及していたあたりさすがACL優勝経験者である。

 第6戦はセンターバックの井川祐輔が出場停止。中澤聡太に出番が巡ってくる可能性は高いだろう。日本人のACL歴代出場試合数、単独1位になるか。

【了】

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