久保君にも余波。何者が後ろで手を引いたからとの憶測も
今回、FIFAから登録について指摘されていた選手10人の中に、バルサユース初の日本人選手として知られている久保建英君の名前はなかったが、この通達があった次の週のリーグ戦で久保君は召集リストから外された。メディアが週末の試合に押し寄せて選手に悪影響を与えることを恐れたクラブ側の処置だった。
さらに、今週はドイツで彼が所属するカテゴリーの重要な大会があったのだが、その大会も久保君は欠場。こういったとりあえずの“応急処置”を受けているのは、久保君だけではないが、いつまで続くことになるのかは様子見となるだろう。FIFAが下した処分が、既に一つの波紋を生み出している例だ。
確かに、ここ数年で海外移籍を取り巻く環境は大きく変わった。選手が活躍を続けるキャリアの時間は伸びたが、同時にスタートラインも下がった。以前、ロナウジーニョがバルセロナにいた頃「16歳にして1部でプレーしているかどうかがいい選手が凡庸な選手かの一つの線引きとなる」と話していたことがあるが、この規約に従えばそういった状況もEU圏外ではぐっと減る計算になるのだろうか。
今回、バルセロナだけが矢面に立たされていることも大きな疑問だ。成功モデルとなったマシアに対するやっかみ、バルセロナの基盤を崩そうとしている者が後ろで手を引いたからとの憶測もまことしやかに流れている。
実際、バルトメウ会長は今回の処分の裏に何らかの企みがあると確信し、調査も平行して行っている。証拠をつかみ次第、訴えると明言している。
さらに、ここで大事なのはスペインサッカー協会も共に責任を負わされているという点だ。サッカー協会がバルサだけに融通をきかせた、などということは非常に考え難く、そうなると本来ならもっと芋づる式にほかのクラブにも調査の手が伸びてしかるべきだろう。