大学ナンバーワンストライカーという大きな注目を集めて鹿島アントラーズに入団した赤﨑秀平が、ついに公式戦初のスタメン出場を果たした。
試合開始直後にしっかりボールをコントロールし、味方に繋げた。「チームも個人も試合の入り方としては悪くなかった」というように、赤﨑にとっても上々のスタートだった。
0-1で迎えた31分には、相手の密着マークに遭いながら山本脩斗に繋ぐと、最後は土居聖真が詰めて貴重な同点ゴールのきっかけを作った。
ダヴィのように強靱なフィジカルがあるわけでも、ひとりで局面を打開するようなタイプでもない。だが、絶え間なくフリーランニングを繰り返し味方にスペースを作り、ポストプレーでもまずまずの働きを見せた。
チームに貢献していたからこそ、ゴールが欲しかった。実際にチャンスはあった。55分、柴崎岳のスルーパスに抜け出すと、GKと一対一の場面を作った。しかし、初スタメン初ゴールかに思われたシュートは無情にも守田達弥のビッグセーブに阻まれた。
このシーンを振り返って赤﨑は悔しさを滲ませた。
「ああいう決定的な状況を作ってもらったにも関わらず、もう少し冷静になればキーパーをかわしてシュートも打てたのかなと。結果論ですけど、そういうところを高めていかないといけない」
そして、75分に無念の途中交代。チームも敗れてしまったが、赤﨑のパフォーマンスは決して悪くなかった。ボールをもらう動きはゴールを意識したもので、味方からパスを引き出す動きは堅守の新潟守備陣にも通用した。
鹿島には上質なパスを送ることのできる選手が揃っている。彼らのパスを引き出せれば大きなチャンスとなる。
「(小笠原)満男さんや(遠藤)ヤスさん、岳は常に見てくれていますし、後は自分が動き出すタイミングを合わせる。監督からも試合前にそう言われていたので、そこは意識して動くようにしました」
後はゴールを奪うだけ。だがそのゴールを決められなければフォワードは評価されない。それは本人が一番わかっている。
「まだまだ納得してはいけない」と、自分自身に強く言い聞かせるように話した。
【了】