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【現代サッカー最先端戦術】ゴール奪うポジションでなぜ? FWに守備が求められる理由

text by 西部謙司

レアルを封じた守備ブロック

【現代サッカー最先端戦術】ゴール奪うポジションでなぜ? FWに守備が求められる理由
■図4 CL ドルトムント対レアル・マドリーの陣容
レヴァンドフスキは、レアルのCB2人をケア。ゲッツェはシャビ・アロンソをマークする。レアルのもう1人のボランチは受け渡しながらゾーンで守る

 前線守備を重視するドルトムントの考え方は、グループリーグのレアル・マドリーとの試合でも表れている。このときはアヤックス戦とは違って、シャビ・アロンソをマンマークする方法だった(図4)。

 レアルのフォーメーションはアヤックスとは違って4-2-3-1だが、後方の司令塔役はシャビ・アロンソにほぼ決まっていた。そのかわりセンターバックにゲームを作られる心配はそれほどなかった。この試合ではセルヒオ・ラモスが欠場していたからだ。

 ドルトムントはトップ下のゲッツェがシャビ・アロンソをマンマークしてパスが渡らないように守り、センターバック2人をレヴァンドフスキがみる形。さらにフィードにやや難のあるペペ(センターバック)のほうにボールを持たせている。

 ドルトムントは4人×2ラインの守備ブロックが強力だが、その前方の守備を緻密に行うことで、ブロックの強さをより際立たせていた。

 Jリーグでもビルドアップと起点つぶしの攻防は熾烈になってきている。

 セルビア出身のミハイロ・ペトロビッチ監督が指揮を執る浦和レッズは、攻守でフォーメーションが変化する戦術で知られている。後方と前方が5人ずつに分かれ、それぞれに数的優位を持つ。空洞化させた中盤に相手のボランチの後方から前線の選手が下りてきてクサビを入れる、ゾーンの隙間をつく、独特の攻め方をする。

 しかし、サンフレッチェ広島時代を合わせると、この特殊な戦法もすっかり対戦相手に知られていて、さまざまな対策がとられるようになっている。昨季第7節では、スロベニア出身のベルデニック監督のいる大宮アルディージャが1つの対策を示した。

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