相手のFKの際は、肩車をして壁を作る!
パラ州の州都ベレムで2006年に設立された同クラブは、平均身長120センチの遺伝子異常の成人男性で構成されたこびとチーム。選手たちには一定の給与が支払われており、チームでは大工や配管工の就職指導も行われている。
同クラブのマクス・ゴイアノ監督はチームについて次のように話している。
「FW、攻撃的MF、両サイドバックは良い選手たちばかりだ。健常者だったら彼らはみんなプロレベルでプレーしていただろう。我々はロングボールに向かないチームなだけに、ショートパスを主体としたスタイルを武器としている」
一方、チームの中心選手で身長100センチの27歳のエース、カセミロ・リベイロはこう語る。
「僕の人生は大きく変わった。昔は道で差別されたこともあったけど、今ではどこに行っても賛辞を受ける。僕はこのチームに大きな誇りを感じるし、チームメイトはみんな兄弟だと思っている。このチームでプレーできることを幸せに感じるし、僕らはプレーで周囲の人たちをいつも驚かせている」
同クラブでは相手のFKの際に肩車をして壁を作るなど、ユニークな戦い方も周囲の関心を引いている。パラ州は今夏のブラジルW杯の開催地から外れたが、「こびとチーム」の独特のプレーは大会前後に世界の注目を浴びそうだ。
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