クラブで出場機会激減。プロキャリアで初の苦境
2010年夏にシャルケへ移籍してからコンスタントに試合に出場し、UEFAチャンピオンズリーグでもベスト4進出を果たすなど、順調な歩みを続けてきた。しかし、ステフェンス監督(当時)が就任してからはケガと不調が重なって出場機会が激減。この時期はベンチ外が続いていたのだ。
プロ入り以来、初めてといっていい苦境に本人は戸惑いと焦りを感じていたはずだが、人前ではあえて明るく振る舞おうとしていた。
「試合に出たり出なかったりですけど、練習で試合くらいガツガツやってるんで、体力的には問題ないんじゃないかと。試合が始まって出れるチャンスがあればしっかりやります。右でオカちゃん(岡崎慎司)と一緒にやる場合には、彼が動いたタイミングでいいボールを出せればいいと思う」と努めて目の前の一戦に集中していた。
日本代表でいいプレーができれば、シャルケで定位置奪回への一歩を踏み出せる可能性もある。そんな思いもどこかにあったことだろう。
迎えたウズベキスタン戦。日本の布陣は4-2-3-1で、内田は右サイドバックで先発出場した。彼の前に陣取ったのは岡崎ではなく藤本。ザック監督は香川真司をトップ下に回し、岡崎を左、藤本を右という2列目の構成にしたのだ。
1トップにハーフナー・マイクを起用したのは3次予選の後半数試合と同じだが、本田の穴を見事に埋めた中村憲剛を外したのはサプライズと言ってよかった。
ウズベキスタンの方も9月のアウェー戦に出ていたのはカパーゼら4人だけで、ジェパロフら主力は不在。U-23世代の選手主体で、日本にとっては格下のはずだった。
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